理学療法士の生涯年収は?
ここでは理学療法士の生涯年収についてまとめてみました。生涯年収は勤務先によって大きく異なるのか?、一般サラリーマンと比較するとどのぐらい違うのかご紹介します。また専門卒と大卒で違いがあるか、退職金はどのぐらいもらえるのか、生涯年収を増やす方法についてなど様々な情報をまとめてみましたので是非参考にしてください。
目次
理学療法士の生涯年収はどのくらい?
理学療法士の生涯年収では、22歳から59歳までを生涯年収とすると、男性では約1億7758万円、女性では1億6778万円となっており、大幅な格差はありません。
生涯年収 男性:約1億7758万円、女性:1億6778万円
理学療法士の年齢別・男女別推移(20代~50代)の平均年収
生涯年収をみる上で年代別にどのぐらい年収が異なるのかみていきます。一般的に理学療法士の年収は年齢が上がるにつれて昇給する傾向にあります。年代別の昇給状況を見ると、年代ごとに約50万円前後の年収アップしています。下記の表で概ねの年代ごとの推移を把握することができると思います。
年代 | 平均年収 | 1つ前の年代との年収差 |
---|---|---|
20代理学療法士の年収 | 350万円 | - |
30代理学療法士の年収 | 407万円 | +57万円 |
40代理学療法士の年収 | 471万円 | +64万円 |
50代理学療法士の年収 | 537万円 | +66万円 |
年代ごとに約50万円前後の年収アップ
勤務先でどのぐらい生涯年収は違う?
施設別の年収を22歳から59歳までの37年間働いたとする単純計算したものを表にまとめてみました。もちろんここに昇給や退職金などが加算されることになると思いますのでざっくりな参考値としてご覧ください。
施設別 | 平均年収 | 生涯年収 |
---|---|---|
病院 | 280~400万円(中央値:340万) | 1億2580万円 |
クリニック | 300~700万円(中央値:500万) | 1億8500万円 |
デイサービス | 300~500万円(中央値:400万) | 1億4800万円 |
訪問リハビリ | 360~600万円(中央値:465万) | 1億7205万円 |
ざっくりですが勤務先で結構違う
一般サラリーマン(業種別)の生涯年収は?
一般サラリーマンの業種別では、総合商社や金融、IT通信などの平均生涯賃金が高く、平均生涯賃金が低いのは小売外食となっています。理学療法士の生涯年収は約1億7000万円前後なので業種別にみても低めだと言えます。
業種 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
総合商社 | 2億7,179万円 | 3億13万円 | 1億8,182万円 |
金融 | 2億5,561万円 | 3億840万円 | 1億8,182万円 |
IT/通信 | 2億5,391万円 | 2億6,621万円 | 2億869万円 |
メーカー | 2億4,553万円 | 2億6,093万円 | 1億8,419万円 |
メディカル | 2億3,703万円 | 2億7,523万円 | 1億7,924万円 |
専門商社 | 2億2,272万円 | 2億3,887万円 | 1億7,233万円 |
インターネット/広告/メディア | 2億1,728万円 | 2億3,358万円 | 1億8,782万円 |
建設/不動産 | 2億1,299万円 | 2億3,032万円 | 1億6,300万円 |
小売/外食 | 1億8,729万円 | 2億264万円 | 1億5,475万円 |
理学療法士の生涯年収は約1億7000万円前後なので業種別にみても低め
専門卒と大卒の生涯年収の差について
大学卒と専門学校卒の給料は、結論から言いますと全く変わりません。同じ国家資格であり、同じ条件でリハビリを行っても病院に入る診療費は同じのため、給料に差はでません。一部公立病院などでは初任給に若干の差を設けているところがありますが、それでも大きい格差はありません。したがって生涯年収も差がでない業態となっています。
大学卒と専門学校卒の給料は全く変わらない
退職金はどのぐらいもらえるの?
ほとんどの職場では、勤続年数3年以上で退職金が出るとされていますが、法的義務ではないので支払われない場合もあります。理学療法士の退職金の目安は続年数1年に対して平均8万7000円ほどといわれています。はっきりいいますと一般的なサラリーマンと比較したらとても低い業種だといえます。30年同じ勤務先にいても30年×勤続1年10万としても300万円程度です。一般的なサラリーマンの中小企業では30年勤続した場合は700万~1000万程度はでるといわれていますので2倍~3倍の違いがあります。
退職金は勤続年数1年に対して平均8万7000円
生涯年収を増やす方法
理学療法士はやりがいを大切に仕事をされている方が多いですが、やはり収入も重要な要素です。生涯年収を増やすには当然ながら収入のベースアップが必須です。下記にベースアップの方法を紹介しますので参考にしてください。
キャリアアップ制度がある勤務先に転職する
理学療法士は昇給率が悪く、年齢とともに昇給するといっても3000円~5000円程度とされています。そのため昇給制度がたとえあったとしても微々たるものです。それであれば母体のしっかりした企業でキャリアアップ制度を設けている勤務先に転職し、ステップアップしながら確実に年収アップを図るために努力したほうが長い目でみたら生涯年収を上げることにつながるのではないでしょうか。
コンパスのキャリアアップ制度について
理学療法士業界では昇給や年収アップが難しいとされている中で、当社は圧倒的に充実したキャリアアップの仕組みをつくりました。理学療法士社員の評価に応じた各役職のポジションや業務内容についてご紹介します。
副業する
「給料が低い」「昇給も思ったほど見込めない」「ボーナスが少ない又はない」などといった不満を持つ理学療法士は多く、より収入を増やすために副業をする人が増えてきています。
訪問リハ等の非常勤アルバイト
自身の経験やスキルを活かし、一番手っ取り早く収入を得ることができる非常勤アルバイト。勤務回数なども相談に応じてくれる施設も多いため、無理のない範囲で勤務できるのも魅力です。
セミナーや勉強会
これまでの臨床経験などを活かして同業向けに行うセミナーや一般向けに健康講座など多岐に行えます。活動の場面においては、自治体など通して問い合わせてみるのもよいかもしれません。
youtubeチャンネルの開設
理学療法士として学生向けに、また、理学療法士向けに自身が発信したいことをyoutubeで配信するのもよいでしょう。ただし、動画の内容や編集など工夫も必須です。簡単に始められますが収入を得るためにはかなりの再生回数を増やす必要があるため、そのための時間も必要です。
アフィリエイト
既にブログを書いている方などは、広告を掲載することでクリック数に応じた収入を得られるアフィリエイトもおすすめです。
独立開業する
理学療法士の資格は「医師の指示の下に、理学療法を行うことを業とする者 」と定義され、開業権はありません。しかし理学療法としてではなく、整体やコンディショニングとしてサービスを提供すれば開業することができます。この方法で開業している理学療法士は年々増加傾向にあります。診療報酬が今後どんどん厳しくなることがわかっているため、独立して収入を得ようと考える理学療法士が増えています。経営が波に乗れば年収1000万円を超えることも夢ではなく生涯年収も一気に上がるでしょう。もちろん、売り上げが上がるだけでなく、会社が倒産するリスクも視野にいれておかないといけません。治療院として開業しても2~3年ほどで潰れるケースが多いため、治療者としての知識や技術はもちろんのこと、経営や各種マネージメントスキル、社員を雇う雇用側として様々なことを学ぶ必要があります。最近は治療院などの完全な自費診療よりも、デイサービスの介護保険を利用した開業の方が安定して経営ができ、理学療法士が知識や経験を活かすことができるため、実際に介護現場で働いていたセラピスト(PTOT)がデイサービスを開業しているケースは増えています。
コンパスの独立開業について
当社コンパスは業界初の社員独立制度を設け、デイサービスのオーナーとして起業することができます。店舗運営における年商の目安や、社員独立制度を利用して独立したスタッフの想いをご紹介します。是非参考にしてください。
終わりに
理学療法士の生涯年収について紹介しましたが、一般サラリーマンなど他の業種と比較すると低めなのがわかりました。もちろん勤務先によって条件は異なりますので、是非皆さんも今の職場で継続的に勤務するとどのぐらいの生涯年収になるか見直してみてはいかがでしょうか。
以下のエリアで理学療法士の求人を強化中!