理学療法士と柔道整復師の年収・給料の違い
どちらも国家資格である理学療法士と柔道整復師(柔整師と呼ばれることも)。病院やリハビリテーションセンター、整形外科などで患者さんと接する職業です。柔道整復師は医師からの指示なしに脱臼や骨折等を治療できる資格があり、さらには開業する権利も正式に認められている職業です。その点もふくめ、理学療法士と柔道整復師のどちらを目指すのか迷っている方も多いようです。検索キーワードとして「どっちがいい」「どっちが難しい」といったものや、両方の取得も検討している「両方」「ダブルライセンス」といったキーワードも一緒によく検索されています。さらに、「理学療法士 年収 1000万」「柔道整復師 年収 低い」といった年収や給料に関わる情報を探している人も多いようです。やはり、どちらの職業を選択するか決める際には年収や給料が大きなポイントになっているようです。このページでは、理学療法士と柔道整復師のどちらの求人も行う当社が、この2つの職業の年収や給料についてじっくり解説します。また、ほかの医療系職業とも比較してみました。
目次
理学療法士と柔道整復師の給料比較
具体的な給料額を確認してみましょう。医師や看護師、理学療法士や作業療法士、ケアマネージャーやホームヘルパーまで、医療業界の18職種の基本給や賞与、平均年収を公表しているデータとして、厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」がありますが、実はここには柔道整復師は掲載がありません。そのため、理学療法士は上記調査結果を、柔道整復師については当社ふくむ実際の求人等を参考に比較してみます。
理学療法士と柔道整復師の年収
2019年度の調査結果によると理学療法士の年収は賞与込みで409万円が全国平均です。一方、柔道整復師の年収は一般的にボーナスふくめ300〜400万円と言われています。100万円の範囲内なので何とも言えませんが、400万円であれば理学療法士とほぼ同じといえます。ただ、後述しますが柔道整復師は機能訓練指導員として働いたり、開業したりすることも可能なので、より高い給与や年収を目指せる可能性もあります。
理学療法士と柔道整復師の月給
次は基本給を比較してみます。理学療法士は月給28万円です。柔道整復師の求人では、月給20~30万円台と年収同様に幅があります。どちらの職業も経験者として採用される場合はさらに高い月収を提示されることもあるようです。
理学療法士と柔道整復師の初任給
専門学校または養成校や大学を卒業後、理学療法士として就職した場合の新卒初任給は20~25万円前後が相場です。一方、柔道整復師の新卒採用者の初任給は20~23万円程度で、こちらはあまり大きな開きがなさそうです。就職先の病院、施設、接骨院などにより前後しますので、中には平均を超えた、30万円近い初任給を提示されるケースもあるかもしれません。
理学療法士と柔道整復師とほかの職業の年収比較
理学療法士と柔道整復師は、作業療法士と言語聴覚士、そして義肢装具士や視能訓練士などとあわせて、リハビリ職またはリハビリテーション職とくくられることがあります。これらの職業や、その他の医療従事者とも年収を比較してみます。
理学療法士と柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の年収
その名の通りあん摩・マッサージ・指圧を行い健康を増進させる仕事ですが、手技で行う点や国家資格である点など共通点が多いため、柔道整復師とよく比較されます。あん摩マッサージ指圧師の年収は350~380万円程度で理学療法士や柔道整復師と近しい数値です。開業権もありますが、その場合の年収は幅が広いため、前述の数値には含まれていません。ちなみに、ほかに開業権があるのは、柔道整復師、助産師、鍼灸師です。
理学療法士と柔道整復師と鍼灸師の年収
鍼灸師(しんきゅうし)の年収は350〜450万円ほどで、リハビリ職の中で唯一、理学療法士や柔道整復師よりじゃっかん高めの年収を稼ぐことが見込める職業です。こちらも開業が認められている国家資格のため、店舗が繁盛すればその分、年収も上がります。
理学療法士と柔道整復師と言語聴覚士の年収
言語聴覚士は通称ST(Speech Therapistの略)と呼ばれ、理学療法士(PT)と作業療法士(OT)と3つの職業(PTOTST)を総称してセラピスト職と呼ばれることもあります。言語聴覚士の年収は400万円前後と、理学療法士や作業療法士と近しく、柔道整復師よりやや高い年収を得ることができる職業です。
理学療法士と柔道整復師とその他の医療従事者の年収
その他にも様々な医療分野の仕事がありますが、参考までにいくつかご紹介いたします。視能訓練士(COまたはORT)は年収300万~400万円、臨床検査技師の年収は461万円、看護師なら482万円、そして医師は1,169万円と唯一年収1000万円超えです。医師以外の職業であれば、理学療法士と柔道整復師でも職場や賞与・昇給次第では他と肩を並べられる年収です。
理学療法士と柔道整復師の職場による年収・給料比較
当社のように理学療法士と柔道整復師が同じ職場で働くケースもありますし、それぞれ別の職場で働くケースもあります。基本的には職場により給与が設定されており、たとえば運営母体の異なるAの整骨院とBの整骨院では、月収や年収に大きな差があるということも考えられます。つまりどの職場の給与が高い、低いという傾向はなく、企業・会社ごとに異なるということです。参考までにそれぞれの一般的な職場をご紹介します。
理学療法士の職場例
- 病院、クリニック、診療所などの医療施設
- 医療福祉中間施設、介護保険法関連施設
- 老人福祉施設、高齢者のためのデイケアサービス
- 教育・研究施設、児童福祉施設
- 障害者自立支援施設、身体障害者福祉施設、知的障害者福祉施設、精神障害者社会復帰施設 等
柔道整復師の職場例
- 接骨院、整骨院
- 病院、クリニック(整形外科やリハビリテーション科)
- 介護施設(機能訓練指導員として勤務することも)
- スポーツ業界(スポーツトレーナーとしてアスリートをサポート) 等
理学療法士と柔道整復師の働き方による年収・給料比較
雇用形態により年収や給料は大きく変動します。また、国立病院や都道府県立病院で公務員または準公務員として働くという選択肢もあります。さらに柔道整復師はその資格を生かして、機能訓練指導員やスポーツトレーナーとして働くこともできます。それぞれの年収を並べてみましょう。
正社員の年収
すでに説明してきた通り、理学療法士の年収は409万円、柔道整復師の年収は300〜400万円です。これらの数値は基本、正社員を前提に算出しています。また、実際の求人も、パートやアルバイト、契約社員より正社員の理学療法士や柔道整復師を募集している会社の方が目立つ印象です。
独立開業の年収
柔道整復師として開業する選択肢もあります。年収1000万円以上を目指せるチャンスがある一方、昇給や賞与(ボーナス)はなく、経営状況次第では自費を捻出しなくてはならないケースもあります。独立開業している柔道整復師は店舗ごとに経営状況が異なるため、一概に年収や給料を算出することができないのが現状です。理学療法士には開業権はありませんが、開業医の元で主力として働くということは可能です。
副業やフリーランス、アルバイトの年収
別の本業を持ちながら週末に副業的にアルバイトとして、整骨院で働いたり、フリーランスのパーソナルトレーナーとして施術を行ったりと、様々な働き方が可能です。アルバイトであれば時給、フリーランスであれば歩合です。働く頻度も人により異なるため、年収を比べるのは難しいでしょう。
公務員の年収
国立病院や県立病院などの求人に応募して、試験に合格して、理学療法士公務員または柔道整復師公務員として、働くという選択肢もあります。基本的には、国家公務員は俸給表、地方公務員は給料表にそって給与が決まります。年功序列の昇給が期待でき、しかも手当や福利厚生も充実している公務員と同じ待遇を受けられます。たとえば、2020年の全公務員(管理職をのぞく)の平均ボーナス額は133万円ですので、月給23万円+賞与で年収400万円超えも可能な計算です。もちろん、勤務先により待遇は異なります。あとはフルタイムではないが、みなし公務員(準公務員)の待遇が受けられる求人もあります。あくまで一例ですが、三重県桑名市が出していた理学療法士(または作業療法士)の求人では、時給 1200円程度、1年契約(その後更新される可能性もあり)、1日6時間という条件でした。服務規定や手当などは地方公務員に準ずるとなっています。こういったフルタイムでない、みなし公務員といったケースもあるので、興味のある方はお近くの自治体の職員採用ページなどを確認してみてください。理学療法士に比べると柔道整復師の公務員の求人は多くはない印象ですので、チャンスを見逃さないように公務員に特化した求人情報サイト(「公務in」等)に登録しておくことをおすすめします。
高年収・高月収の理学療法士や柔道整復師の求人が見つかるコンパス
新卒はもちろん、ある程度スキルが身についたら年収アップのための転職を考えることもありますよね。マイナビコメディカルのようなサイトで求人情報を探すことはもちろん、そもそも理学療法士や柔道整復師に今、どのような需要があるかという点を把握するために、日ごろから業界動向・ニュースを追うこともおすすめします。公益社団法人日本理学療法士協会のような公的なサイトの他にも、柔整ホットニュース、柔整スタディやリハサクといったサイトの情報コンテンツもおすすめです。
また、全国展開している当社でも多くの理学療法士や柔道整復師の求人があります。同じ店舗で両方の求人を出しているケースもあります。今回紹介したような、平均的な年収より高月収つまり高年収の給料を目指すことも可能な求人を多く掲載しています。今後も全国的に新規出店予定ですので、ご興味があればぜひ当社の求人も確認してみてください。
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