理学療法士が独立開業すると年収はいくらくらい?
高収入を目指したい理学療法士が一度は考える独立開業。なぜ、独立開業を考えるのか!開業権や独立開業する前に考えてほしい注意点、独立後の給料・年収や開業のメリット・デメリット、などを調べてみました。是非、参考にしてみてください。
理学療法士の独立・開業
年収がなかなか上がらない理学療法士。年収アップを目指している理学療法士の中には将来を見据え、独立・開業に興味がある人もいるでしょう。理学療法士が独立・開業するにはどうしたらいいのか、どのようなことに注意が必要なのか、開業のメリット・デメリットはどのようなことなのかを調べてみました。
開業権がない
そもそも理学療法士に開業権はありません。つまり、理学療法士は「医師の指示の下に理学療法を行うことを業とする者 」と定義されており、医師の指示なしに理学療法を行なうことは出来ません。したがって理学療法士が開業し、「理学療法」を提供することは法律上行なうことが出来ないのです。
開業権がなくても独立開業はできる?
先ほど理学療法士には開業権がないことを説明ましたが、理学療法ではない「別の事業」として起業することは出来るのです。
経営者になり会社を設立する
理学療法士には開業権はありませんが、会社を設立し経営者となることで介護事業をはじめ様々な事業を展開することができ、活躍の場が広がります。
独立開業するなら
- デイサービス
- 訪問看護ステーション
- 整体院
- ボディケア
- セミナー主催会社
このように理学療法士にもさまざまな起業の仕方があります。まずは、十分な下調べをする必要があるでしょう。
独立開業する前に考える事と注意点
ミッションとビジョンを明確にする
起業の際に「なぜこの事業をやるのか」というミッションつまり、使命を明確にし社会的意義を持つことが大事です。経営が苦しくなったときその苦境を耐え、なんとかして新たな道を切り拓いていくには自分が「何のためにそのビジネスを始めたのか」という「軸」になるからです。また、ビジョンを持つことで目指す姿を描くことができ、それに向かい戦略を立て進むべき道に突き進むことができるため、ビジョンは明確にすることが必要です。
経営者意識を持つこと
独立・開業するということは、その事業の経営者となることです。経営者になると会社の方向を自分自身で考え決定していかなければなりません。決められたことを遂行することも大切ですが、経営者になるということは「自分で考える」能力が必要なのです。独立後はすべての責任は経営者が引き受けることになります。誰かのせいになんてできないのです。
今のあなたの給与にどれだけの収入(売上)が必要なのか考えてみたことはありますか?そこに社会保障・年金・税金(住民税・所得税)事務所費用・備品・光熱費・交通費・通信費などの費用がかかっていることの認識がありますか?また、消費税・法人税・住民税・社会保険など会社が赤字黒字に関わらず支払わなければならない税金や社会保障があることなども知らなければなりません。
理学療法士として普通に働く場合は、患者さんや利用者さんのことを考えて仕事を行えばいいですが、経営者となった時には売上と利益を一番に考えなければなりません。サラリーマンでいるうちに、これまで見えなかったお金の流れや社会保障など意識してみるとよいでしょう。
自分の適性を見極める
理学療法士として優秀であっても経営者として優秀とは限りません。理学療法士を志した多くの人は患者さんを元気にしてあげたい、社会の役に立ちたいなどの気持ちを持たれた人が多いと思います。自身の給与の元であるお金のことを考えたことがある人はどのくらいいるのでしょうか。 起業し経営者となれば理学療法士としての業務ではなく、経営者として多くの業務を行う必要があり、従業員やお客様に対して様々な責任が生じてきます。
何のために独立したいのか、自分は経営者に向いているのかなど独立開業する前に検討するようにしましょう。
開業メリット
理学療法士が独立開業するメリットは、やはりリハビリのプロとしての資格です。自費の場合、より専門的な知識と技術を持った理学療法士自身が経営しているという信頼と安心感ではないでしょうか。金銭面での自由度も高く、報酬の上限はありません。事業の利益が自分の収入に直結し、頑張り次第では高収入をを得るチャンスもあります。また、定年がなくなるので、心身ともに健康な状態でいる限り、いつまでも働き続けることができます。
開業デメリット
メリットの裏返しとしては、会社の後ろ盾がなくなるというデメリットがあります。すべて自分で決められる裁量を得る一方で、なにより決断力が必要です。もう頼れる上司はいないのです。
独立後の給料・年収
事情は人それぞれですが、収入面については資格を使って開業できない以上かなり厳しい状態になることもあると覚悟をしておきましょう。医療従事者として理学療法士の収入はけして多くはないかもしれません。しかし、年収1,000万円を得るにはその何倍も売り上げを上げなくてはなりません。
独立だけが年収アップへの道ではない
年収を増やすことは独立開業だけが手段ではありません。ご参考にどうぞ。
インセンティブで高収入
訪問看護ステーションは基本給に加えて、インセンティブ手当がつきます。そのため病院やデイサービスなどの異なる業態と比較し高額な年収となります。
管理職になる
理学療法士として年収を増やすためには昇進を目指し管理職になるのが一番確実でしょう。同じ理学療法士でも、管理職になれば500〜600万円以上の年収になることも可能です。ただし、理学療法士として昇進するためには技術以外にマネジメント能力も必要となります。
教員になる
理学療法士養成校や大学の教員は病院と比較すると給料が高い傾向にあるといわれています。教員といっても大学と専門学校では応募できる条件が異なります。専門学校は臨床経験が5年あれば転職できますが、大学教員は学位(学士や修士、博士)を取得する必要があります。
副業する
正社員として働きがら副業として多いのが訪問リハビリ、整形外科クリニック、自費のリハビリ、セミナー講師活動のようです。専門職としての知識技術をいかし、副業収入が100~200万円を超えるPTもいるようす。
年収700万~1,000万円稼ぐには
理学療法士が高年収を得るにはリスクを伴う独立・開業以外に本業である理学療法士としての経験や知識を生かせる職場を探してみることをおすすめします。
年収1000万以上を目指すには?
理学療法士の仕事だけで年収1000万円以上を得ることは現実的には難しいですが、治療院や整体院を開業をし、理学療法士のスキルを生かしつつ経営者として仕事をするのであれば、可能かもしれません。理学療法士の資格は「医師の指示の下に、理学療法を行うことを業とする者 」と定義され、開業権はありません。しかし理学療法としてではなく、整体やコンディショニングとしてサービスを提供すれば開業することができます。この方法で開業している理学療法士は年々増加傾向にあります。診療報酬が今後どんどん厳しくなることがわかっているため、独立して収入を得ようと考えるPTが増えています。経営が波に乗れば年収1000万円を超えることも夢ではありません。
年収700万・800万・900万を目指すには?
医療関連企業(一般企業)の働き方としては出版社での医療書籍の執筆や編集、医療機器メーカーで福祉関連機器の販売や製造業務、工業株式会社でヒューマン・ケア事業やロボット事業の推進、自動車メーカーで製造工場で勤務する社員への腰痛予防、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等など、理学療法士の経験を活かし、様々な働き方をしているPTがいます。医療関連企業は、医療分野の知識だけではなく工学やIT、語学力などの別途知識が必要となるため、年収がやや高めに設定されていることが多いとされ年収800万ぐらいの求人もあります。
転職サイトを利用して好条件の求人を探す
理学療法士(PT)が年収700万、800万、900万を目指せる好条件な求人情報を掲載している転職サイトを調べてみました。
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このような転職サイトを利用することで、年収アップが見込める求人を数多く見つけることができます。ご自身の条件にあった転職先を見つける参考にしてみてください。
終わりに
理学療法士の独立や開業は可能なものの、現実的には難しいようです。会社を経営し長く安定した収入を得ていくことは並大抵ではありません。ネット上には飛びつきたくなる成功談も数多くみられますが、よく考え情報収集したうえで検討しましょう。
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