理学療法士の平均年収はいくらいくらい?
理学療法士の平均年収についてご紹介します。また、年齢別や医療職種別の年収など、様々な観点から理学療法士の年収を解説します。
目次
理学療法士の平均年収は約418.9万円
令和2年の理学療法士の平均年収は約418.9万円、平均年齢は33.9歳です。(作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む)
※厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(e-Stat)」、職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)より
上記の理学療法士平均年収は、企業規模計(10人以上)の「きまって支給する現金給与額」✕12ヶ月に、「年間賞与 その他特別給与額」を合わせた額です。
厚生労働省は「民間給与実態統計調査(e-Stat)」のなかで、理学療法士の平均収入について以下のように紹介しています。
- 平均年収:418.9万円
- 男性の平均年収:412万4600円
- 女性の平均年収:396万6700円
- 手当含めた月給平均:約28万円
- 退職金は勤続年数1年に対して平均8万7000円
- 生涯年収については1億5千万円~1億8千万円
理学療法士の月額での手取り額は、勤務先、年齢、勤続年数などによって変わってきますが、男性だと約20~27万円、女性だと約16~19万円です。
理学療法士の平均年収は、全体平均と比べて低い?
令和2年9月に発表された国税庁の民間給与実態調査によると、日本人の給与所得者全体の平均年収は約436万円です。
理学療法士の平均年収は約418.9万円ですので、全体平均と比べおよそ17万円低い状況です。
給与所得者全体の平均年収と比べ、理学療法士の平均年収が低い理由は、理学療法士は平均年齢が若い、勤続年数が浅い、などの原因が挙げられます。
理学療法士は20代と30代が全体の約8割を占めているため、全体平均年収が安くなる傾向があります。
理学療法士の年代別の平均年収(20代、30代、40代、50代)
年代 | 全体平均 | 男性平均 | 女性平均 |
---|---|---|---|
20代年収 | 354万円 | 358万円 | 350万円 |
30代年収 | 418万円 | 430万円 | 407万円 |
40代年収 | 480万円 | 490万円 | 471万円 |
50代年収 | 537万円 | 561万円 | 471万円 |
年齢が上がるにつれて年収は昇給していき、50代前半で最高年収となります。ただし、企業規模(職員数100以下から1,000人以上の企業も含む)の幅が広い統計データのため、あくまでも数字上での比較です。基本給以外では、手当ての名目で上乗せや調整している参考資料です。
女性の理学療法士の平均年収について
2018年時点の統計によると、理学療法士の男性と女性の比率はおよそ6:4です。
女性が働きやすく結婚後も共働き夫婦が多い理学療法士。初任給や施設別、雇用形態別の平均年収や、働くママさんPTが多い老人保健施設・小児施設・訪問リハビリパートを選ぶ理由、結婚・妊娠・出産・育児・子育て・介護というライフステージでの働き方など、女性理学療法士についての情報はこちらをご覧ください。
理学療法士の平均年収をケース別に解説
理学療法士の初任給と初年度の平均年収
理学療法士の平均初任給はおよそ20~25万円、年収280~320万円ほどです。 上記は専門学校もしくは大学を卒業後、新卒採用で就職した場合の平均初任給です。大学病院や厚生年金病院、労災病院、市民病院など、公立の大きな病院への就職がやや有利になるケースが増えるようです。
こちらのページで理学療法士の初任給について解説しています。
管理職の理学療法士の年収
理学療法士の管理職の平均年収について、こちらで詳しく解説しています。理学療法士の管理職平均年収・月給・手取り・ボーナス平均支給額や、管理職の仕事内容や必要なスキル、理学療法士の需要と気になる今後10年後・20年後の理学療法士の仕事について調べました。
理学療法士の生涯年収
理学療法士の平均生涯年収は、男性が約1億7758万円、女性が1億6778万円です。生涯年収について詳しくはこちらのページにまとめました。
勤務先の生涯年収、一般サラリーマンとの比較や、専門卒と大卒で違いがあるか、退職金はどのぐらいもらえるのか、生涯年収を増やす方法などについて情報をまとめています。
理学療法士が独立開業した場合の年収
高収入を目指したい理学療法士にとって、独立開業は大きなチャンスです。開業権や独立開業する前に考えてほしい注意点、独立後の給料・年収や開業のメリット・デメリットなどについて、こちらのページで詳しく解説しています。
医療業界における年収はどのくらい?
医療業界における理学療法士の年収を知るために、医療職種別の年収についてご紹介します。
医療職種別の年収(フルタイム)
医師 | 1,233万円 |
---|---|
歯科医師 | 757万円 |
薬剤師 | 544万円 |
放射線技師 | 503万円 |
看護師 | 478万円 |
臨床検査技師 | 468万円 |
歯科技工士 | 407万円 |
准看護師 | 406万円 |
作業療法士(OT) | 405万円 |
理学療法士(PT) | 405万円 |
栄養士 | 346万円 |
歯科衛生士 | 343万円 |
※厚生労働省の2017年度「賃金構造基本統計調査」より
また、柔道整復師やスポーツトレーナー、言語聴覚士(ST)、義肢装具士、精神保健福祉士、助産師、鍼灸師、訪問介護員(ホームヘルパー)、診療放射線技師などの給料のデータは参考程度ではありますが、以下の通りです。
柔道整復師 | 300〜400万円 |
---|---|
スポーツトレーナー | 500〜600万円 |
言語聴覚士(ST) | 450万円前後 |
義肢装具士 | 300〜400万円 |
精神保健福祉士 | 300〜500万円 |
助産師 | 450〜550万円 |
鍼灸師 | 350〜450万円 |
訪問介護員(ホームヘルパー) | 300〜400万円 |
診療放射線技師 | 約500万円 |
以上が統計データによる医療職種別の平均年収ですが、経験や勤務する職場、勤続年数、地域格差、常勤や非常勤の違いなどにより異なります。
理学療法士が平均年収をアップするには?
年収1000万以上を目指すには?
正社員の理学療法士として勤務するだけで年収1000万円以上を得ることは困難でしょう。しかし、治療院や整体院を開業をし、理学療法士のスキルを生かしつつ経営者として仕事をするのであれば、年収1000万円以上稼げる可能性があります。
理学療法士の資格は「医師の指示の下に、理学療法を行うことを業とする者 」と定義され、開業権はありません。しかし理学療法としてではなく、整体やコンディショニングとしてサービスを提供すれば開業することができます。
この方法で開業している理学療法士は年々増加傾向にあります。診療報酬が今後どんどん厳しくなることが予想されるため、独立を検討するPTが増えています。
ただし、独立開業しても倒産するリスクもあります。治療院として開業しても2~3年ほどで潰れるケースが多く、治療者としての知識や技術、経営や各種マネージメントス、社員を雇う雇用側として、さまざまなスキルが求められます。
年収700万・800万・900万を目指すには?
理学療法士の中には、病院・施設ではなく、医療関連企業(一般企業)で勤めるPTもいます。理学療法士の資格や経験を活かして医療関連企業で活躍すれば年収700万円以上も実現できる可能性があります。
医療関連企業は、医療分野の知識だけではなく工学やIT、語学力などの別途知識が必要となるため、年収が高めのことが多く、年収800万ほどの求人もあります。
年収600万を目指すには?
理学療法士として年収600万を得ることは、工夫しだいでは充分可能です。以下に年収600万以上が可能な分野についてご紹介します。
病院や整形外科クリニック
病院や整形外科クリニックでの理学療法士の平均年収は、300~400万円前後です。大規模病院の管理職候補では500~700万円ほどの求人もあるため、年収600万以上を目指すことが可能です。
しかし、病院で年収の水準が高い求人は稀です。また、整形外科クリニックでも、理学療法士に高いリハビリ能力を求める求人などでは年収が600万を超えることがあります。
訪問リハビリ
訪問リハビリでは、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)がセラピストとして在宅に訪問します。
給与体制の中に一定件数以上の訪問件数を超えると手当がつくインセンティブ制度というものがあります。たとえば、当社リハプライム のコンパス訪問看護では1ヶ月65件以上訪問した場合、66件目から手当がつきます。そのため訪問を頑張れば頑張るほど、給与に反映され、件数に応じた報酬を受け取ることができます。
年収500万を目指すには?
理学療法士として年収500万円を稼ぐためには、デイサービスのエリアマネージャーや本部マネージャーとして働くことで実現できるでしょう。
理学療法士の最高年収はどのくらい?
病院・施設・企業などに正社員として所属している理学療法士の最高年収はおよそ900万円、月給換算で70〜80万円程と予想されます。さらに詳しくこちらのページをご覧ください。
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